通貨選択型

通貨選択型は、投資対象資産による分類とはちょっと違って、どのような仕組みで運用されるかという運用方法による分類とお考え下さい。

様々な運用方法がありますが、敢えて通貨選択型を取り上げるのには訳があるんです。

通貨選択型は、2009年に販売されるやいなや大人気となったのですが、運用方法がとても複雑でリスクが高いことを認識しないまま購入している方が非常に多いのです。

通貨選択型は非常に人気があって、ランキング上位にもたくさん入っていますが、『ランキング上位が良いとは限らない』でもご説明したとおり、ランキングに流されて仕組みが分からないまま購入して欲しくないから、敢えて通貨選択型を取り上げているのです。


では早速通貨選択型の特徴を見てみましょう。

まずは通貨選択型の仕組みを表した下図をご覧下さい。

通貨選択型投資信託の目論見書(もくろみしょ)にはだいたい同じような図が掲載されているはずです。

パッとこれだけ見て何のことか分かります?

正直、何のことかよく分からない人の方が多いのではないでしょうか(苦笑)。

ひとつの例として、投資対象資産は米ドル建ての海外債券で、選択する通貨はブラジルレアルとして説明してみましょう。

まず投資家は通貨選択型投資信託を買うと同時に、ブラジルレアルを選択します。

運用会社は、投資家から集めた日本円を米ドルに交換して米ドル建ての海外債券を買う(※1)と同時に、米ドルとブラジルレアルの間で為替ヘッジを行います(※2)。

これで投資家は、ブラジルレアル建てで海外債券を持つことになります(※3)。

このような仕組みのため、通貨選択型は儲けるチャンスが※1、※2、※3の3カ所に増えるんです。

※1は海外債券の値上がり益、※2は為替ヘッジによる為替プレミアム、※3はブラジルレアルと日本円との為替差益です。

普通に海外資産に投資するだけの投資信託の場合は、※1と※3の2カ所が儲けるチャンスになるのですが、為替ヘッジも儲けのチャンスとして組み込んだわけですね。

一般的に為替ヘッジというのは、日本円と海外通貨との為替による損失を最小限にとどめるために行うのですが、通貨選択型は、この為替ヘッジを海外通貨同士の金利差を利用した収益源としたのです。

ちなみに、※2のチャンスを活かすためには、米ドルよりもブラジルレアルの金利が高くなければなりません。

一般的に高金利の通貨というのは新興国の通貨であることが多く、新興国というのは経済発展は目覚ましいのですが、カントリーリスクが高めな場合が多いのです。

一通りご説明しましたが、ご理解いただけたでしょうか?

ここまでの説明を見て「儲けるチャンスが2カ所から3カ所に増えるなら良いんじゃないのか?」と思われた方もいるかと思います。

確かに、うまく回っている(運用できている)ときは3カ所で儲けが出るでしょう。でも、逆に回り始めたら・・・?

そうです、損失が一気に拡大してしまうのです。

下の画像は、ある通貨選択型投資信託のパンフレットの一部です(※画像をクリックすると拡大図が別ウィンドウで開きます)。

とってもカワイイ感じのパンフレットですね。3つの儲けるチャンス(収益源)もシッカリ書かれています。でも~、下の方に小さな字で通貨選択型の売りである為替ヘッジのリスクが書かれていますよ~(都合の悪いことはいつも小さく書く・苦笑)

そもそも、新興国の通貨というのは値動きも荒く、安定した運用を目指す投資信託の目的に合致していません。そのようなリスクをわざわざ取る必要は無いのです。


ここまでの説明で「???」となられた方は、通貨選択型を買うのは止めた方が良いでしょう。

「???」となっても何も恥ずかしいことではありません。だいたい通貨選択型は仕組みが複雑すぎて、投資の初心者には向いていないのです。

とにかく、中身や仕組みがよく分からないものには投資しないことです。

それでもどうしても購入したいのであれば、無くなっても良い余裕資金で、ほんの少しだけ購入するべきです。これも決してメインの資産にしてはいけません。

信託報酬などの各種手数料は、高いです。

今日のポイント
通貨選択型の投資信託は仕組みが複雑

儲けるポイントが3カ所あるが、それは同時に 損するポイントも3カ所あるということ!

よく分からないものには投資しない!

【タイプ別投資信託解説】 メニュー

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