定年後

定年後の収入は年金だけになるので苦しいという方も多いのではないでしょうか?

さらに追い打ちを掛けるように、定年してから年金がもらえるまでの数年間は全くの無収入になるので、退職金を取り崩すしかない方も珍しくないでしょう。

そんな、収入が激減する定年後の投資信託の活用法を解説していきます。

まず、定年時に一体いくらの老後資金が準備できていればいいのか考えてみます。

一般的に、ご夫婦でゆとりある生活を送るためには1ヶ月に約36万円、ややゆとりのある生活で約30万円、ギリギリの生活で約24万円必要と言われています。

次に、ご夫婦の60歳からの平均余命を見てみますと、男性が約23年、女性が約29年となっています(厚生労働省簡易生命表参照)。

つまり、60歳で定年退職し無収入となった後も、男性で約23年、女性で約29年生活していくことになるのです。

これに先ほどの生活費を掛け算していきます。

生活レベル (ご夫婦2人の生活費)+(妻1人の生活費:60%とする)= 必要額(端数切り捨て)
ゆとりある生活 (36万円 × 12ヶ月 × 23年)+(21.6万円 × 12ヶ月 × 6年)= 1億1491万円
ややゆとりある生活 (30万円 × 12ヶ月 × 23年)+(18万円 × 12ヶ月 × 6年)= 9576万円
ギリギリの生活 (24万円 × 12ヶ月 × 23年)+(14.4万円 × 12ヶ月 × 6年)= 7660万円


結構な額が必要ですね。しかし全て用意する必要はなく、この金額から退職金や公的年金を引いていきます。

まず平均的な退職金の額ですが、厚生労働省が発表した「平成25年就労条件総合調査結果」によると、勤続35年で、大学卒(管理・事務・技術職)が2156万円、高校卒(管理・事務・技術職)が1965万円、高校卒(現業職)が1484万円という結果になっています。

次に公的年金の額ですが、国民年金(老齢基礎年金)が一人あたり年額約78.6万円(満額:平成25年時点)となっています。厚生年金については人によってばらつきがありますので、ひとまず国民年金のみで考えてみます。

国民年金を65歳から受け取り始めるとして、男性で18年、女性で24年受け取る計算になりますので、78.6万円 ×(18年+24年)= 約3301万円となります。

以上をふまえると、すでに準備できている金額は以下の通りといえます。

大学卒(管理・事務・技術職) 2156万円 + 3301万円 = 5457万円
高校卒(管理・事務・技術職) 1965万円 + 3301万円 = 5266万円
高校卒(現業職)       1484万円 + 3301万円 = 4785万円

では今までの数字を総合的な表にしてみましょう。

生活レベル 職種と学歴の区分 計算式 自分で準備する額
ゆとりある生活
(月36万円で生活)
大学卒(管理・事務・技術職) 1億1491万円-5457万円 6034万円
高校卒(管理・事務・技術職) 1億1491万円-5266万円 6225万円
高校卒(現業職)  1億1491万円-4785万円 6706万円
ややゆとりある生活
(月30万円で生活)
大学卒(管理・事務・技術職) 9576万円-5457万円 4119万円
高校卒(管理・事務・技術職) 9576万円-5266万円 4310万円
高校卒(現業職)  9576万円-4785万円 4791万円
ギリギリの生活
(月24万円で生活)
大学卒(管理・事務・技術職) 7660万円-5457万円 2203万円
高校卒(管理・事務・技術職) 7660万円-5266万円 2394万円
高校卒(現業職)  7660万円-4785万円 2875万円


こうしてみると自分で準備しなくてはならない金額はかなり減りましたね。これに加えて、公務員や会社員なら共済年金や厚生年金も支給されますので、自分で準備する金額はもっと減るでしょう。

定年までに、自分で準備しなくてはならない金額が準備できている方は、無理な運用をする必要はありません。安全な公社債投資信託などで堅実に運用しつつ、生活費を取り崩していきましょう。

定年までに必要な金額が用意できていなければ、何らかの運用をしながら生活費を取り崩さないと、途中で生活できなくなる恐れがあります。

そのような場合は、若干でもリスクを取って運用するべきだと言えますが、あくまでも若干であって、あまり大きなリスクを取ってはダメです。

具体的には、国内株式型海外株式型海外債券型を20%ほどポートフォリオに組み込みます。そのとき、国内資産と海外資産が半々になるようにすると良いでしょう。

この年齢になると、大きな損失を取り戻すのが非常に困難ですので、無理のない範囲で運用してください。無理に運用するくらいなら、生活のレベルを落とすべきです。


具体的なお勧め投資信託は以下の通りです。

資産区分 ファンド名 購入時
手数料
信託報酬 信託財産
留保額
分配 信託期間 設定日
国内株式 ニッセイ日経225インデックスファンド なし 0.30% なし 年1回 無期限 H16.1.28
海外株式 eMAXIS先進国株式インデックス なし 0.648% なし 年1回 無期限 H21.10.28
国内債券 公社債投資信託(MMF、MRFなど) なし 0.6%~ 原則なし 毎日 無期限 -
国内債券 日本債券インデックスe 2.16% 0.3996% なし 年1回 無期限 H22.4.6
海外債券 外国債券インデックスe 2.16% 0.54% なし 年1回 無期限 H22.4.6


海外株式型として、「eMAXIS先進国株式インデックス」だけを挙げました。リスクを抑えるためには、新興国への投資は控えるべきだと考えられるからです。

国内債券としては、定年後は生活のために毎月現金が必要になるため、換金性の劣る個人向け国債は避け、その代わりに「公社債投資信託」や「日本債券インデックスe」を挙げました。

あるいは、タイプ別投資信託解説の『毎月分配型』で解説しました、毎月、投資信託を決まった金額だけ解約してくれる「自動売却サービス」を利用しても良いでしょう。

信託報酬だけを見ると上記の投資信託よりも安いものがありますが、運用実績が非常に短いため、今後どのようになっていくのか予想が難しいためお勧めには入れませんでした。

お勧めの投資信託を選んだ基準は、『良い投資信託の見分け方』をご覧下さい。

今日のポイント
十分な老後資金が用意できているなら、定年後は無理に運用しなくても良い

リスクを取って運用する場合は、 無理な運用は絶対にしない!

【年代別投資信託の活用法】 メニュー

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